技術書同人誌博覧会で買った本(後編)

この記事は don.8mitsu.net Advent Calendar 2019 17日目の記事です。
昨日は 技術書同人誌博覧会で買った本(前編) でした。

昨日に引き続き今日も技術書同人誌博覧会で買った本の話をしたいと思います。今日紹介する本は3冊、いずれも電子版を購入しました。

同人誌の電子版というものは統一された配布プラットフォームがあるわけではなく、みなさんそれぞれ独自にやっているようです。Dropbox使ったり、自前のDLサイトをこさえたり。秘密結社あかねぶるーでは、対面販売で電子版を頒布する際はダウンロードカードというものを渡し、ダウンロード版URLからDLしたZIPファイルをダウンロードカードに書かれたパスワードで解凍するという方式をとっています。通信販売で電子版を頒布する際は購入するとPDFファイルが直接DLできるようになっています。

閑話休題。本の話に戻ります。

読まれるコンテンツの作り方

読まれるコンテンツについて解説しているだけあって非常に読みやすい本です。基本的に長い文章はなく、イラストと簡単な解説の組み合わせでできているのですが、ちゃんと内容は頭に入ってきます。

特に「不明点を与えないようにする」のところはグサリときました……心当たりがありすぎて。個人的には「これくらいわかるやろ」のノリで文章を書きたいのですが、世の中はそれを許してくれません。

10分でAWS全サービスを知る本


商業出版の技術書を多数書いている大澤文孝さんの同人誌です。

明後日から使えるAWS入門


商業出版の技術書を多数書いている小笠原種高さんの同人誌です。

このふたりで同人サークルやってるらしいです。商業本たくさん書いているお二人だからなのか、同人誌では「商業出版じゃ無理」なことがたくさんおこなわれています。

例えば「10分でAWS全サービスを知る本」は、膨大なAWSのサービスについて網羅的に書いている本なのですが、これは本を書き始めて、世の中に出るまでの間にAWSのサービスが増えないことが重大な要件になるわけですが、商業出版ではこのスピード感は無理です。あと商業出版だとページ数が足りないとかすぐ言われます。でもこの手の本は膨大な量のサービスについて超短期間で執筆して、それをすぐに市場に出さないといけないのです。そうしないとすぐアレが増えたアレの内容がアップデートされただのということが起こるほどAWSのスピードは早いのです……。おまけに、ついこの前にあったRe:Invent2019で発表されたサービスについても触れています。いかに本書がタイムリーに出されているかがわかるでしょう。

「明後日から使えるAWS入門」のほうは、本文の書きっぷりとしては商業出版と大きく変わるところはないのですが、説明の仕方だったり、やたら昭和特撮ネタが多い注釈だったり、編集でハネられそうな部分も多く含んでいます。あとはAmazonのレビューの話だとか、本の感想の話だとか、率直すぎてこれも編集でハネられます。

ですので、この2冊は商業作家が同人誌でしか出来ないことを思いっきりやった本だと言えるでしょう。特に前者のような本はあまりないので非常に貴重な情報源になりました。ありがとうございます。


ちなみにAWSといえばパブリッククラウドのデファクトスタンダードですが、どれくらいデファクトスタンダードかというと……

これくらいです。

これは技術書同人誌博覧会のスポンサーでもあるgrasysさんの「どこのパブリッククラウドを使っていますか」というアンケートです。一番上が圧倒的ですね!w
ちなみにgrasysさんは3番目のGCPのパートナーだそうです。

技術書同人誌博覧会は技術書典やコミケなどと比べると、非常に落ち着いた雰囲気の即売会です。午前中は入場制限とかあったりするのですがそれでもそんなに人が多いわけではなく、また2Fと3Fに分散しているというボトルネックも特に問題になっていないようでした。階段が狭いので人が多いと詰まりそうなものなんですけどね……。

あとgrasys Cafeという、コーヒーが飲めて、お菓子も食べられて、座って購入した本が読めるコーナーがあります。すごい。技術書典では人が多すぎてまず無理!

というわけで、技術書同人誌博覧会#2の購入物とイベントのレポートでした。